管理ツールはOracleデータベースの起動/停止/回復といった操作を行う為のソフトウエアです。
データベースを管理する為には Server Manager や Oracle Enterprise Manager について理解する必要があります。
データベースの起動や停止や回復等の管理作業を行うには Server Manager を使用します。
Server Manager はこれらの管理コマンドを実行するほか、SQL文やPL/SQL文を実行することもできます。
Oracle8i でも下位互換性を保証するため、Server Manager は搭載されていますが、 管理ツールとしての機能は SQL*Plus に統合されました。
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svrmgrl  [command={@スクリプト名 | "コマンド"}]      (UNIXの場合)      
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svrmgr30 [command={@スクリプト名 | "コマンド"}]   (Windowsの場合)      
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| [bianco:oracle][280]$ svrmgrl command="connect system/manager" Oracle Server Manager Release 3.1.5.0.0 - Production (c) Copyright 1997, Oracle Corporation. All Rights Reserved. Oracle8i Enterprise Edition Release 8.1.5.0.0 - Production With the Partitioning and Java options PL/SQL Release 8.1.5.0.0 - Production 接続されました。 SVRMGR> | 
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SVRMGR> desc \
     2> LTCORP
列名                           NULL?    型                             
------------------------------ -------- ----
CM_NCODE                                CHAR(8)
TK_NOWOK                                CHAR(1)
TK_BEFOK                                CHAR(1)
TK_NOWOKYMD                             CHAR(8)
TK_BEFOKYMD                             CHAR(8)
TK_NOWSYU                               CHAR(1)
TK_BEFSYU                               CHAR(1)
TK_NOWYYMM                              CHAR(6)
TK_BEFYYMM                              CHAR(6)
SVRMGR>
 | 
Server Manager ではServer Managerコマンドを実行する際に行末記号(;)は必要なく、行末で改行すればコマンドが実行されます。
Server Managerコマンドが複数行にわたる場合は行末に継続記号(\)を入力します。
Server Managerコマンドとは、以下のコマンドを指します。
| カテゴリ | コマンド | 説明 | 
|---|---|---|
| データベース接続不要 | EXIT | Server Managerを終了 | 
| REMARK | SQLスクリプトにコメントを入力 | |
| SET | 現行セッションの特性を設定 | |
| SHOW | 現行時点の設定値を表示 | |
| SPOOL ON/OFF | ログのスプールを開始、終了 | |
| Oracle権限要 | CONNECT | データベースに接続 | 
| DISCONNECT | データベースから切断 | |
| DESCRIBE | パッケージ、プロシージャ、ファンクション、表、オブジェクト、ビューの説明を表示 | |
| EXECUTE | PL/SQL文を実行 | |
| SHOW ERRORS | パッケージ、プロシージャ、ファンクションの直近のコンパイルエラーを表示 | |
| SHOW PARAMETER | 初期化パラメータの現在の設定値を表示 | |
| SHOW SGA | 現行インスタンスのSGAに関する情報を表示 | |
| 特殊なOracle権限要 | CONNECT / AS SYSDBA | データベース管理者として接続 | 
| CONNECT / AS SYSOPER | ||
| ARCHIVE LOG [START|STOP|LIST] | ログファイルの自動アーカイブを開始または停止して手動でアーカイブするか、 REDOログファイルに関する情報を表示 | |
| RECOVER DATABASE | 表領域、データファイルまたはデータベース全体に対して、メディア回復を実行 | |
| STARTUP | Oracleインスタンスを開始 | |
| SHUTDOWN | Oracleインスタンスを停止 | 
| 
SVRMGR> select count(*) from                                           
     2> ltcorp
     3> /
COUNT(*)
----------
      3653
1行選択されました。
SVRMGR>
 | 
Server ManagerコマンドではなくSQL文やPL/SQL文を入力する場合、文の終わりにセミコロン(;)を入力するか、最後の入力行にスラッシュ(/)を単独で入力します。
文を複数行に継続して入力する場合も継続記号は必要ありません。
データベースの起動/停止/回復といった操作に加え、複数のデータベースを管理する場合に使用します。
主な機能をまとめると以下の様になります。
 
Oracle Enterprise Manager はおおまかに以下のパッケージで構成されています。
データベース管理者が一台のマシンから複数のデータベースを管理するためのアプリケーションです。OEMコンソールは、ジョブスケジューリング、イベント管理、ホストとデータベースの検出、セキュリティなどのサービスを提供します。
ネットワーク内のリモートノード上で動作し、OEMコンソールから送られるジョブやイベントを実行し、結果をOEMコンソールに戻します。 エージェントはOEMコンソールとは独立して動作するので、ネットワークが切断されたり、OEMコンソールが停止したりした場合もリモートで動作を続け、 通信が復元されるとステータスをOEMコンソールに戻します。監視するノードごとに1つのエージェントが必要です。 例えば1つのノードに2つのデータベースがインストールされている時には、1つのエージェントが両方のデータベースを監視します。
OEMが使用する情報を格納するデータベース表です。OEMリポジトリは、各ユーザに対してそれぞれ作成されるため、ユーザがどのクライアントマシンからログオンしても、自分のリポジトリとの接続を確立できます。 通常は管理対象以外のOracleデータベースに作成します。1つのリポジトリを複数のユーザで共有することもできます。
コンソールとデータベースの中間に位置し、コンソールから送信されてきたリクエストを実行します。また、リポジトリと接続し、管理対象のノードの情報をリポジトリに格納します。 これは Oracle Enterprise Manager R2.X から導入されました。
| 通称 | Oracle のバージョン | Oracle Enterprise Manager のバージョン | 
|---|---|---|
| Oracle 7 | R7.3.2 | V1.2.2 | 
| R7.3.3 | V1.3.5 | |
| R7.3.4 | V1.3.6 | |
| Oracle 8 | R8.0.3 | V1.4.1 | 
| R8.0.4 | V1.5.0 | |
| R8.0.5 | V1.6.0 | |
| Oracle 8i | R8.1.5 | V2.0.4 | 
| R8.1.6 | V2.1.0 | |
| R8.1.7 | V2.2.0 | 
データベース管理に特化したツールです。
データベースのチューニングや高度な管理を行うツール群です。
Oracle Enterprise Manager コンソールは次のコンポーネントで構成されています。
ほかの管理アプリケーションを起動したり、タスクを実行します。
ほかのアプリケーションを起動して管理作業を実行します。
Oracleサービスを階層的に表示し、管理者がデータベース、リスナー、ノード、ネームサーバーなどのサービスをブラウズしたり、オブジェクトの特性を変更したりできるようにします。
ネットワークのトポロジー、機能にもとづいてOracleサービスをグループ化します。
リスナー、データベース、ホスト自体に関連するタスクをリモート実行します。
システムの状態を監視し、事前定義済みの基準にもとづいて修正したり、特定のイベントの発生をポケットベルや電子メールで管理者に報告したりします。
OEMの画面例(図をクリックすると拡大表示されます)
OEMはログオンユーザに対応したリポジトリにアクセスします。 対応するリポジトリが存在しない場合は自動的にリポジトリを作成します。 リポジトリによって、OEMで管理される環境の状態情報を集中的に格納する場所、 ジョブとイベントに関する情報、ユーザの優先接続情報、OEMコンソールへのログオンに関する そのほかの情報が提供されます。
DBA Management Packの代表的な機能は以下のとおりです。
テーブル内容の表示、更新および削除を行なうウィザードです。
マテリアライズド・ビューの作成、削除または保持するかアドバイスしてくれるウィザードです。
OracleRecovery Manager(RMAN)のグラフィカル・インタフェースで、バックアップやリカバリに利用します。
エクスポート、インポート、ロードなど、データ管理を行なうウィザードです。
データベースの起動/停止、初期化パラメータの変更、ユーザー・セッションやトランザクション管理などに利用します。
表や索引、索引編成表など、すべてのスキーマ・オブジェクトの管理に利用します。
ユーザーやロール、プロファイルなど、セキュリティの管理に利用します。
表領域やデータファイル、REDOログなど、記憶領域の管理に利用します。
Oracle Enterprise Manager の基本構成であっても、データベース管理者が日常的に行う管理業務をすべて網羅しています。 Oracle Enterprise Manager を利用すれば、複雑なSQLや、ツールの利用方法を覚える必要はありません。 それと同じことは、すべて Oracle Enterprise Manager のGUIを使って、簡単に実現できるからです。 この他にも、Oracle Enterprise Manager の基本構成には、以下のとおりの管理アプリケーションが含まれています。
| アプリケーション名 | 管理内容 | 
|---|---|
| Oracle Applications Manager | Oracle Applications管理 | 
| Oracle interMedia Text Manager | Oracle interMedeia管理 | 
| Oracle Enterprise Security Manager | Oracle Advanced Securityの管理 | 
| Oracle Developer Server Forms Manager | Developer Forms Server管理 | 
| Oracle Application Server Manager | Oracle Application Server管理 | 
| Oracle Parallel Server Manager | Oracle Parallel Server管理 | 
| Oracle Replication Manager | Oracle Advanced Replication Option管理 | 
| Oracle Directory Manager | Internet Directory管理 | 
2001/08/24 担当:H.O